事前知識を身に付けよう

マンガ1
最近忙しかったな。久しぶりに実家に帰るか。
マンガ2
ただいま!あれどうしたの?
年金と通帳と印鑑の場所がわからないの。
母は認知症を発症していた。
マンガ3
銀行へ相談行くと認知症だと口座が凍結されると言われた。
※凍結されない場合もあります。
マンガ4
預金が引き出せない。
いったい何から手を付ければいいんだ。もっと早く準備しておけば・・。
こうなる前に事前に知識を身に着けよう。


介護に関する事前知識のある・なしで、その後の負担に大きな差がつくのが、超高齢化社会での家族ケアの現実

介護に関する知識を身につけよう

1.育児と介護は全く違う

 育児は自分が過去にされた経験したものに対し、介護は自分が経験のないものです。また、育児は様々な教育機会を活用しながら自分が経験している社会人生活に適応できる子供を育てるのに対し、介護は自分が経験していない要介護状態にある相手の人生を支えます。このように育児と介護は全く違うものです。

育児と介護は正反対であることを示す図

これまでとは異なるこれからの家族ケア

 少ない高齢者を多くの現役世代が支えたこれまでとは異なり、少子高齢化等を背景に、これからは多くの高齢者を少ない現役世代が支えていかなければなりません。

 特に、仕事とケアを両立するビジネスケアラーのうち、30代~40代前半の約4割は、育児も並行して行っている(ダブルケアラー)という調査結果もあるなど、ケアラーを取り巻く環境は大きく変化しています。

 このため、家族ケアに関する常識もアップデートしていくことが必要です。

これまでとこれからの介護の在り方は全く異なることを示す図

2.家族ケアを取り巻くリアル

(1)介護が必要となる期間と費用

10年間で介護にかかる費用は1人あたり約900万円と想定されることを示す図

 健康寿命と平均寿命から算出すると、介護が必要になる期間は、平均で男性は9年、女性は12年となっており、おおよそ約10年間がケアを要する期間と言われています。


 また、在宅介護サービス利用料の平均額と医療費、介護用品など介護サービス以外の費用の平均額(家計経済研究所)から推計すると、この10年間で介護にかかる費用は1人あたり約900万円と想定されます。

※健康寿命:2022年、平均寿命:2023年調べ

(2)介護を織り込んだライフプラン設計を

 ある日突然直面する家族のケアは、その初動体制を構築する際に最も負荷がかかるとされている一方で、ケアに関する事前知識の有無により、その大小は異なるとも言われています。

 このため、誰もがケアラーになり得ると心に留めておくとともに、家族のケアが切迫していない段階から、十分な事前知識の習得と備えをしておくことが大変重要です。

POINT!

3.知っておきたい4つの両立知識

(1)身体的なケアは可能な範囲でプロに任せよう!

 食事介助、入浴介助、排泄介助の3大介助と呼ばれる身体的なケアは、自身で全てを担おうとすると、ケアラー自身の身体的な負担も大きく、介護離職のリスクも高まることが知られています。

 介護離職が頭を過るボーダーと言われている平日平均2時間、休日平均5時間のケア状態を慢性的にしないためにも、可能な範囲で、介護のプロの力を上手に頼りましょう。

(2)ケアマネジャーをベストパートナーにしよう!

ケアラーの負担軽減には、ケアを受ける方が抱えるそれぞれの状況に寄り添ったケアプランの作成が欠かせません。

 ケアプランの作成を担当してくれるケアマネジャーと日頃から小さな気づきまでも共有し、介護保険サービス以外にも、家事代行サービスや配食サービスなど民間サービスの上手な活用も相談しながら、最高のケアプランを作りましょう。

 

(3)介護者サロンなどケアラー同士が交流できる場を上手に活用しよう!

 介護者サロンはケアラーの方同士が気軽に集まり、ケアのこと、日々の悩みや不安など何でも話し合える場です。同じ悩みを抱えたケアラー同士で集まり、悩みを打ち明けることができれば、きっと気持ちが軽くなるはずです。

 また、交流の場に参加することで、他のケアラーの方々が利用しているサービスの情報、リアルな口コミも得られますので、積極的に参加してみてください。

 

(4)精神的な配慮を心掛ける

 身体的なケアは、介護のプロの力を上手に頼ることが大切な一方で、ケアを受ける方の精神的な支えにはケアラーの皆さん、家族の皆さんの存在が欠かせません。 

 孤独は介護度を上げてしまうリスクと言われています。離れて暮らしている場合であっても、電話をかけたり、写真を送ったり、一緒に外食を楽しんだりと、心の支えとなる関わりを積極的に行ってください。 

4.介護の負担を減らすためにできること

(1)お住まいの市町村の相談窓口を知る

 ケアが必要になった時、すぐに相談できるようお住まいの市町村の相談窓口を把握しておきましょう。

すべての市町村に地域包括支援センターがあり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などの専門職員がチームで地域住民の生活を包括的に支援しています。

ケアラーになる前でも何らかの不安がある場合は相談が可能です。

山梨県の地域包括支援センターはこちら


相談内容に応じた相談窓口一覧

相談窓口一覧ページ

(2)介護保険で受けられるサービスや申請方法を知る

 介護サービスは、「介護保険サービス」と「介護保険適用外サービス」があります。

 両方のサービスを組み合わせることにより、ケアの負担を大幅に軽減できます。

【調べておきましょう】

・市町村地域包括支援センターの情報

・公的医療・福祉・介護サービスの情報

  ホームヘルパー派遣、介護予防事業、ショートステイ、外出支援、安否確認 など



・民間の医療・福祉・介護サービスの情報

  お住まいの地域で受けられるサービス(食事の宅配、家事支援など)や金額

  介護保険サービスなどを利用して住宅改修ができる金額の範囲 など

厚生労働省介護サービス・生活関連情報検索

 利用できるサービスや施設、利用料金などが検索できます。

WAMNET(福祉・保健・医療総合情報サイト)

  利用できるサービスや施設などが検索できます。

支援制度について